●助っ人参上

レンタル機材の返却期日まであと一週間。
スキャンし直しの本が数十冊。
新たに裁断して作業しなければいけない本が多数。
(実は数え直したら全部で四百冊以上ありました)

スキャンだけを休憩無しでしても、1時間5〜6冊ではとても終わりません。
せめてスキャナの前で追加の紙束持って待機しているタイムロスをなんとか出来ないかな?
甥っ子にバイト代払って手伝って貰うか…?

そんな時、母から電話がありました。
「嵐が来てるんだって。うち崖の下だから怖いんだけど」
「…ウチ、来る?」
1人暮らしの母、召還決定(にやり)。

デジタル音痴の母でも、スキャナに紙を入れるくらいできるはず。

となりの県からお泊まり道具持参で母がやってきました。
頼み込んで作業の段取りを説明すると
「手伝うのはかまわないけど…パソコンわからないよ?」

そうでした。
スキャンにはPC作業があるんです。
1冊ごとにファイル名を作って保存先を指定しなくちゃいけません。
「むかし会社でタイプライター使ってたんだよね?」
けれど、文字列は入力できたとしても機械が詰まった時はさらに複雑な操作をしないとなりません。

うわー、どうしよう。今回は途中であきらめて機械を返却するしかない?
「これ、やろうか」
母は裁断機の横に座りました。

がしゃん。
「うん、だいたいわかった」
母、コツを把握。
「でも本の表紙剥がして割って表紙切り離すの…できます?」
「こんな感じでいい?」 
おそらく初めて使うカッターナイフも、すぐにコントロール出来るようになりました。

…思えば彼女の父(私の祖父)は歌舞伎の小道具師。
小さい頃から父親の作業を見て覚えたという荷造りやラッピングなどは速くて綺麗、紐の縛り方も無駄なくきっちり緩まない。

私が不器用なのはリンゴも剥けなかった父親似か、とほほ。
(漫画家がみんな器用だと思ってはいけません。絵って手で描く人と脳で描く人がいるんですよ!両方出来たら最高ですが…それはまた別の話)

●自炊ミッション、完了

自分でするより遙かに速く、切り落としの斜めのずれも最小限で裁断されていく雑誌たち…いけない、感心してないでスキャンしないと追いつかれる。

今度はフラッシュメモリではなくHDへ保存して、確認してから更にメモリへコピー。
保険にバックアップを取ります。
フラッシュメモリは万一壊れても被害が少なくて済むように、32GBを複数用意。 

吹きすさぶ嵐の中…6畳間を埋め尽くしていた雑誌の山はほぼ消えました。
というか、母の作業のほうがずいぶん早くに終わってしまいました…レンタル期限内、セーフ!
このレンタルショップでは返却を「延滞」すると1日あたりスキャナ4000円、大型裁断機2000円の追加料金がかかるので馬鹿にならないんです。
もし長引きそうなら連絡して正規料金で「延長」するのが得策かな。

使い終わった機器を届いた時の大きなダンボール箱に収め直し、返却。送料は料金に含まれているので運送会社に連絡して回収を待つだけです。

HDの中に出来上がったページデータはJPGですが、MacintoshだとデフォルトでPDFに変換される機能がついていますから、電子書籍として編集し直さなくてもこのまま読書には差し支えありません(そのためにスキャンした時のページ番号は正しくしておく必要はあります)。

いずれまたレンタルして、文字の書籍も自炊してみようか?

●次回のためのメモ

個人的にメモした自炊ポイントは

・自炊したい量とかかる時間を見定めればレンタル期間は意外と短くて済む
・保存はHDDにすること 他にもバックアップをとること
・センサーはこまめに清掃すること
・ページ番号は正しく設定すること
・排出したページはひとまず捨てずに整理しておくこと
・2人でやると効率アップ

母には好物のTOPSの紅茶ケーキをプレゼントいたしました。
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