●敢えて食べなかったもの
子供の頃苦手だったり、好まなかったりしたけれど、大人になってから好きになる食べものってありませんか?
子供の頃苦手だったり、好まなかったりしたけれど、大人になってから好きになる食べものってありませんか?
自分はけっこう多かったくちです。
嫌いだったのはイカ、チーズ、鶏皮、レバー、豚肉の脂身、牛乳。
これは主に美味しくなかった時代の給食の責任だったかと…。
食べられるけど敢えて好まなかったのは煮魚、ひじきの煮付け、切り干し大根、酢の物など。
…今やどれもこれもむしろ大好物ですが。
その「敢えて好まない」食べ物に日本蕎麦が含まれていました。
何しろ両親が蕎麦好きで、かなりの頻度で日曜の昼食に乾麺の蕎麦を茹でるんです。
ハンバーグやカレーが嬉しい子供からしたら、蕎麦とネギとわさびと七味と海苔とつゆだけなんて味気ない。
せめてひやむぎなら中のピンクや緑に着色された数本で盛り上がれるのに。
夏休みの家族旅行で、わざわざ関東から山形県まで美味しいと噂の蕎麦を食べに行ったこともありました。
もちろん家の近隣の町の蕎麦屋は全部行ってチェック。
新しい店が出来たと聞いてはチェック。
基本マイペースな親たちですが、蕎麦に関してはこと厳しい。
テレビで評判だろうと、鎌倉の一等地だろうと、ジャッジはかなりシビアでした。
●葉山のお蕎麦屋さん
その彼らが気に入っている中に、葉山の御用邸前のお蕎麦屋さんがありました。
毎週1回、仕事が休みの日に車で、40年近く通っていたんじゃないでしょうか。
「えーきょうお蕎麦?」と思う私でも、ここのお店には時々同行していました。
「えーきょうお蕎麦?」と思う私でも、ここのお店には時々同行していました。
主力は二八の田舎蕎麦だったと思います。
でも色は薄め、細めで歯ごたえがあって(弾力ではない)、ざらっとした肌と蕎麦の香り。
そばつゆも関東の濃いつゆでありながら、ほどよい塩けと品の良いだしの香り。
父と弟が頼むのは必ずせいろを2枚ずつ。
母と私は「磯そば」を1人前ずつ。
今でこそ器に盛った冷たい蕎麦に具を乗せてつゆをかけて食べるメニューはよく見ますが、走りだったと思います。
具は揚げ玉、白葱、わかめ、大根おろし、かつおぶし、かまぼこ。
薬味は七味とおろしわさび、辛味大根を好みで。ここにつゆをかけて混ぜて頂きます。
太白胡麻油でからっと揚がった揚げ玉がさくさく、地元のわかめも薄くて上品なのにしこしこぷりぷり。
定期的に行くのでお店の人とも顔見知りになりました。
のれんをくぐると「いつもの30秒ですね?」30秒というのは父が好む硬めの茹で時間(笑)
「オカモトさん、いつもありがとうございます」
帰る時には蕎麦を打っている年配のご主人が顔を出してくださいました。
●出前の冷やしたぬき蕎麦
そして何年かが経ち…私は働く年齢になり、お昼に会社で出前を取りました。
そして何年かが経ち…私は働く年齢になり、お昼に会社で出前を取りました。
そして運命を変える冷やしたぬき蕎麦に出会ったのです。
揚げ玉とお蕎麦の組み合わせに間違いはありませんし。
やがて…おかもちを下げた近所のお蕎麦屋さんがやってきました。
(明日に続く!)
(明日に続く!)